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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(40)ファースト・インプレッション


最近、高校の時からの親友と意見が合わないことが一つあります。それは、内面的な人の評価の話です。

彼は海外生活も長く面白いキャラクターをもっている男なのですが、歴史に詳しくて日本人的な良さを確固として維持している人間でもあります。長いこと海外生活をして天皇陛下と面会した時には右翼ではありませんが、大泣きしたと言う男です。その彼は、いつも「人は外見よりも中身が大事だ」と言っています。
それに対して私は、焼鳥屋で焼酎を飲みながら猛反論をしているのです。(^_^;)

彼の意見は、一見自分を押し殺したストイックな意見なのですが、どうも好きではありません。たぶん彼は美人や美男子のことを言っているのだろうと思いますが、確かに美人・美男子でない人の方が、美意識や美学を探求したいという気持ちが自然にでてくるので、結果的に内面が磨かれるのではないかというのはよくわかります。

しかし、人の内面を知るのには時間がかかります。初対面の相手は、ほとんどの人がわからないままなのかもしれません。それでいいのか?ということです。時間をかけて見てくださいという姿勢でいいのかなと。

ファースト・インプレッション。第一印象で自分の好ましい印象を伝えることができるかどうか。これが大事なのではないでしょうか。

パワーリフティングをやっていて、すれ違う選手に凄みを感じることがあります。あまりの差にビビッたりすることもあります。
相手の腕の大きさがが自分の太ももぐらいの時もあります。でも、それが僅差だと、かえって燃えたりするものです。私は全日本ベンチプレス選手権でチャック・ウイルソンと初めて同じ階級でならんだ時に、恥ずかしながら少しビビリました。トイレに何回も行きました。ちょびっとのオシッコをしたくなるんですね(^^ゞ。でも二回目に会った時には、負けるもんかと燃え上がりました。これは本当に大事なことなのです。

ずいぶん以前の話ですが、アントニオ猪木が極真空手の熊殺しのウイリー・ウイリアムスと試合をした時に、スパーリングパートナーをした先輩がいます。あのウイリーを3回も締め落とした全日本キックボクシングミドル級チャンピオンの木村優という先輩が私の近所に住んでいて、私はこの人から鍛えられました。

この人は、見かけも中身も強くて凄いのです。実際怖いのです(^_^;)。その先輩に別の強くて怖い先輩が「おい。あんた。カタギな?」と、とんでもない質問をしました。それに対して木村先輩は「おう。カタギだよ」って答えたんです。それはゴリラとオラウータンの挨拶で、どうみても普通の会話ではありません。こういった人が「外見で判断したらいかん」というのはよくわかります。でも、こういう人は本当にまれです。

アメリカの心理学者チャールズ・ギャラウェイはコミュニケーションで伝わるのはビジュアルイメージ(顔や身体・身振り・表情など)が55%、話し方37%、言葉で7%のウエイトだと言っています。これは私もそう感じます。例えば、姿勢のいい人は、悪いことは考えることもできないと思うのです。

第一印象が大事であることを知っていて、むしろ外見が勝負という人は格好いいと思います。ダサイ格好をして「中身が大事」と言っているのは、大事な勝負を放棄しているのと同じだと思うのです。残念ながら私達の育ってきた時代は、そういう風に教育されてきたようです。「人を見た目で判断してはいけない」と美しい言葉でごまかされていたような感じがします。

静かに反省してみれば、外見をカッコ良くするのはすごくエネルギーが必要なのです。外見がカッコ良くなくて、内面をカッコ良くはできないのではないかとも思います。実際に「外見はよくないけど、内面は良い」という人は少ないです。本当に内面的な格調高さがある人は、外見が悪かったら、それを素直に認めてどこからか学ぼうという姿勢を持った人なのではないでしょうか。

今、私は47歳で食生活が身体に出てきやすい年齢です。今からこの身体を維持していくのは大変です。誰にでもできる当たり前の節制を、しかし厳しく自分に課していかなくてはなりません。

松下幸之助は、商売の極意は何かという記者の質問に対して、「あなた雨が降ったらどうします?雨が降ったら傘をさしますね。商売も一緒です。当たり前のことをキチンとすればいいんですよ」と言っていました。

第一印象も、当たり前のことがキチンとできているかいないかで、大きくちがうのではないのかなと思います。いい商人(最近この言葉が好きです)は、この当たり前のことをキチンとできるからカッコいいのでしょう。

ブランドの定義は「信用と評判」です。つまりブランドとは「お客様との約束」です。ファースト・インプレッションは決して裏切ってはならないのです。

株のトレーダーは電話でお客と口約束で仕事を進めていくといいます。それもとんでもない金額の売買をしていきます。私は「契約書」という言葉よりも、「口約束」という言葉が好きです。そこには生き様があります。

ファースト・インプレッションを大事にして、自らお客様と約束をしていくビジネスを目指したいと思います。

つまり、Gear-labは外見でも勝負していきます。(^_^)