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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(3)「素晴らしい商品」だけではなぜ売れないのか (1)

今は不景気だし、モノあまりの時代でモノは売れないという人がいます。しかし、私は今の時代でも、ものを買いたがっている人が世の中にたくさんいると思います。
買いたくて買いたくてたまらない人が大勢いるのです。それを知って事業に落として成功している人がこれまたたくさんいます。この不景気に凄い活躍をしています。
しかし、一般にはなぜ売れないのでしょうか?お金を出すに値しないモノやサービスに人々は非常に飽き飽きしているからです。

貴方自身がそうではありませんか?なんでパソコンや携帯の通信費用にあんな高額のお金を払うのでしょうか。単純な答えですが、それは、それだけの「魅力」があるからです。不景気だと言っている会社は、単に魅力を持たない飽き飽きした商品やサービスを販売しようとしているからなんです。じゃあ、魅力ある商品を作れば売れるのかというと、そんなにカンタンではありません。

今の時代は、製品力だけで売れるとは思えないのです。モノに飽き飽きしているのですから、開発力だけで売れる製品を作り出すなんてことは不可能だと私は思います。これには異論がある人がいると思いますが、具体的にはどのような商品が製品力だけで売れたでしょうか。携帯電話の商品としての魅力は、そのハードにあるのではなく、それを使うことによって、その人の生活がどう変わるかというところにあると思います。

これは、デートしているときにも同じことがいえるのではないでしょうか。そのデートが魅力的なひとときになるのであれば、頑張っちゃいますよね。飲み物や食べ物よりも精神的なものを求めるはずです。じ〜〜んと感動する時間や空間がたくさん欲しいのです。

ある釣具メーカーの社長がおっしゃっていたのですが、裕福の物差しは、昭和の高度成長期はお金だった。そして時間が加わり、最近では空間が加わってきた。でも、本当にこれからの裕福は「こころ」が大きく幅を効かせてくるんです、と。

私もそう思います。その釣具によって使う人の心がどれだけ豊かになるかということが一番の鍵だと思うのです。もし、釣具で心が豊かになるのであれば、高くても人はお金を惜しみなく出します。それでも高いという人は本当に釣りが好きでないか、まだまだ心が豊かになれない商品だと思っていらっしゃる方です。

良い商品であるのは最低条件です。当たり前なのです。当たり前の事だけでは売れません。真面目にもの作りに取り組んでこられた方には衝撃的かもしれませんし、反論があることも予想できますが、このことを真摯に受け止めないと、今の時代、ものは売れてくれません。ものが売れていくための鍵は、たくさんのお客様に、自分の商品がいかに心の豊かさをシェアするものであるかをわかっていただくことだと思うのです。

その手段は、何でも構いません。自分ができる環境と自分の得意な方法でお客様にわかってもらえる方法を実行することがベストだと思います。その道具として偶然インターネットは素晴らしい道具になりました。まだまだ市場は成長している過程ですが、これを使わない手はありません。

最近では、ライフスタイル産業というのが面白い脚光を浴びていますが、これはまさに豊かな心を訴えかけるメソッドです。新宿のBPQC、フランフラン、アフタヌーンティーなどなど、独特の生活空間を演出してそれを販売しています。そう、それはものを売っているのではなくて、それによってもたらされる生活のイメージを売っているわけです。

私は九州の人間ですので、東京に行けばそれを敏感に感じてしまいます。スターバックスコーヒーにもそれを感じます。いつもより早起きして一つ早い電車に乗り、そこでの時間を楽しんでいるというのは、凄いことだと私は思います。

釣具だって全く同じです。その釣具を買うことによって自分のフィッシングスタイルはどのように変わるか、ということを考えると皆、かなり興味あることだと思うのです。それが魅力なんです。逆に何もフィッシングスタイルに影響しない安売り合戦の商品や安いバッタモノは、魅力がないのです。だから当然お金を出そうとしませんよね。

あの釣具をタックルボックスに入れて、あのポイントでこんな釣り方をしようと考えたときにその人にとっては、その人だけのかけがえのない素晴らしい釣具になります。そんな釣具は欲しいです。ニッチな市場かもしれませんが売れます。

さて、販売については、まだまだ続きます。

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