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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(5)デザインのプロと販売のプロは別モノ

私の一番の専門は、パッケージ資材の企画・営業です。包装資材業界の専門職の人たちをたくさん知っています。フィルムや紙その他色々なことについてかなり詳しい知識をもったプロの人たちです。

包装資材屋は、専門部署に依頼してデザイン、版下、製版、印刷、ラミネート、製袋など難しいことをやってのけてパッケージを作っていきます。
しかし、言い方を変えれば、単なる包装資材屋であることが多いのです。

包装は、非常に大切なものだと誰もが思っていますし、その通り中身をよりよく知っていただくために、ネーミング、デザイン、メッセージが、販売活動をしてくれます。そんな大切なことをしてくれるのに、モノ作りをする人は「単なる包装資材屋」に任せてしまうのです。
「だって、包装のプロでしょ。」ということなのですが、包装資材屋は資材のプロであって「売るプロ」ではありません。
売る力なんてほとんどの包装資材屋はもっていないのです。職業柄、少しだけ人より包装資材をみているだけで、販売に関しては無力な事が多いのです。

なぜこの話を持ち出したかというと、私の友人にWebデザイナーがいます。
今はどうも売れ行きが良くありません。「単なる包装資材屋」と同じように「売るプロ」ではないからです。
今まで専門のHP制作業者に依頼して立派なHPを作っても、一番大切な売上実績というものが出ないので、会社も投資する必要がないと判断されることが多くなっています。ですから今ではデザイナーは値段のたたき合いになっています。
カッコいいサイトを作っても売れない、どんな素晴らしいCGIを搭載してもコストパフォーマンスは低い、というのは、こういう事情があります。

面白い話があります。
最近頂いた非常に厳しいメールです。

「HPデザインがダサイから作り直した方が良い」、「HPがシンプル過ぎる」「他の釣りメーカーのサイトを参照して勉強して下さい」という厳しいメールをいただきました(特に35歳以下の若い人からです)。
逆にこんな意見もかなり多かったです。
「見やすい」「とても読みやすいホームページだ」「説明が大変わかりやすかった」「見やすくまとまっているので好印象です」

もちろん私はデザイナーではないし、非常に簡単なHTMLでサイトを構築しています。また、7年前インターネットを始めたときにゴチャゴチャした見にくいサイトが多くて閉口したことから、カンタンに伝わりやすいことが大切だと思ってきました。

これは今も全く変わりません。しかし、一番大切なのはどれだけ商売として受注できるかということです。試合で勝つことです。万人受けするカッコいいHPにしてバンバン売れてくれば、それは楽ですが、なかなかそうはいきません。それだけでは売れないのです。

デザインは大切ですが、デザインだけでモノは売れません。
ひとつはっきりしているのは、興味が薄い=買わない人はほとんど画像しか見ないということです。斜め読み以下の「斜め見」に終わってしまうのです。買う人はテキストまでよく読んでくれます。

ただし、商品写真はほんとうに大事です。プロに頼むかどうかは別として、いい加減な写真をとるのはやめた方が良いです。

私の釣りの先輩で写真家がいます。この人はYAHOO!オークションでいろんな釣具の販売をしていて、凄い販売量で驚くのですが、その秘密は商品写真の美しさにありました。
ロッド、リール、小物や衣類まで販売していますが、ホントに写真が綺麗。画像の修正もしていませんし、ディスプレーが良いわけでもありません。写真のプロの技です。これをいい加減にしているオークションサイトの写真を見て、本人は「もったいないなあ」と言っています。
最近のデジカメの性能は素晴らしいので、バックになる素材と光線のことを自分なりに考えて撮れば、かなり良く出来上がると指導いただきました。
とにかくいい加減に撮ることだけはやめましょうネ。

そして、インターネット販売の要は、人に任せないで自分で押し進めることです。インターネット販売のプロは居ないと考えて下さい。

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