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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(9)目にみえるニーズの向こう側に

マスコミでは厳しい不況ばかりを伝えていますが、ホントに不況が原因でモノが売れないのでしょうか?私はかなり疑っています。業界のほとんどのシェアをもっている企業がいう分にはわかりますが、中小零細企業が発する言葉ではないと思っています。自分の会社の商品が売れないのは不況のせいではありません。商品が売れないのは、本当に売る行為をしていないからです。お客様にモノを買おうとうする気持ちがないのに、モノ自体を売り込もうとしてもなかなか売れません。

「他店より1円でも高かったらお知らせ下さい。それより値引きします」なんて、厳しいことをやっている家電屋さんが多いですね。そんな家電屋さんが売っているのは「価格」です。安いから買って下さいと言っているだけです。そんな家電屋さんは値段を下げたのに感謝されていません。何かプレゼントしたのに喜ばれていません。悲しい商売してますね。

この前も、売り込みのスパムメールで「リラクゼーションの香り・・・激安です」なんて書いてこられて笑っちゃいました。世の中ケッタイな人がいるなあ〜とオドロキです。私は、インセンススティック(線香)が大好きで本を読むときには必ず焚きます。実は私は香りに弱いのです。香りで女性に惚れたことも数度あり、交差点ですれ違った女性に一目惚れすることさえあります(^^#)。ですから、線香は絶対に安いものは使いません。私が焚く線香は高いです。

100円ショップのモノも8種類試しましたが全て失格、ゴミ箱行きです。私の本能が本物の香りを求めているのです。香りをじっくり楽しむ時間が欲しいのです。そして高くても同じ店から同じ線香を買います。うちのトイレの芳香剤は、凄く安物のお徳用です。これはどうだって良いのです。なくなっても次も安いものでどこから買おうが関係ありません。これはモノ作りをする上で、とても大事なポイントです。

どうしたらお客様が買おうとする気持ちになるのでしょうか。

Gear-Labで「こんな釣具が欲しい」という面白いページがありますが、このページに出てきているのはお客様からの「ニーズ」です。こうしたアイデアは新商品を開発するヒントには、もちろんなりますが単に「お客様のニーズに対応する」程度では、実はお客を感動させることが、ほとんどできません。

「あなたが、やりたい釣りはここにありますよ。」と自分でオリジナルに提案し明言していく。そこで初めてお客様は「あっ。こんなモノが欲しかったんだ」となるわけです。お客様には「感動のないニーズ」しかないんです。本当に感動させてくれるものは何なのかわからないんです。

感動させてくれるオリジナルの提案にお客様はのっかってみたいのです。なるほどと感じながら、そのおもしろさを体験してみたいのです。お金を何に使って良いのか分からないお客様は多く、そのことを誰も教えてくれません。実は釣り以外ですと私もそうなんです。「線香」をこうやって選び、こんな焚き方をしたらどうです?と言われれば、私は真剣に聞きますね。そしてそこから買ってみます。

従来の営業はこうだ。本当の商売とはこういうものだという意識が強くて、柔軟な発想ができず、苦労している人は多いものです。従来の方法とは商品ばかりを売りつけることです。今、これでは売れません。商品を買いたい人はこの世にはいないのです。

はじめ、商売はいいモノ、目新しいモノを作れば売れました。次の段階はニーズの把握と対応といわれました。今、大事なのはニーズの向こう側にあるもの、たとえば感動や夢へのプレゼンテーションです。
お客様は、ワクワクした気持ちで釣りをしたいのです。

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