Gear-Lab・釣具の逸品通販モール
ホームWEB魚図鑑さかなBBS通販法表記

福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(10)コミュニティ=語らいが、商いの原点(1)

寒いですね〜。魚も釣れませんし(^^;)。釣具業界にとって2、3月は本当に寒い時期です。それにしてもここ数年ずっと釣具業界は、景気が悪いですね。売上2桁ダウンなんてザラです。

どぎつい話しですが。あの有名な釣具メーカーの株価はとうに2桁で、知人の社員はレイオフを実行されました。ある分野では世界一の実績があるメーカーも3工場閉鎖。安い釣具を中国から輸入して乗り切ろうとしている小売りチェーン店も、売れなくて船積品を受け取れない状態だと聞きましたし、別の有名な小売りチェーン店も手形ジャンプまで。業界新聞は暗い話ばかりでいやになります。

かと思えば、同じ釣具を扱っていて規模は小さいけど好調なメーカーもあります。Gear-Lab内にもおられます。また、釣具店でもオリジナル製品を開発して、お客様ときちんとしたコミュニケーションがあるところは、まずまずの商売をされています。

全体的に景気の悪いなかですが、釣具店ではなくインターネットで販売しなくてはならない釣具があります。一言でいえば、一般的でない商品。極論すれば釣具店が嫌がる商品といえるかもしれません。店舗スペースと在庫を抱える資金繰りの余力があれば、釣具店は何でも置きたいのですが、実際は回転の悪い商品は置くことができません。知り合いの釣具店主によると「どんなに良い釣具でも1年に2回転しない商品は駄目ですね」ということでした。これが「釣具店が嫌がる商品」のひとつの例です。

売れる商品だけを揃えていく方向をつきつめると、セブンイレブンのPOSシステムになってくるのですが、その逆手をとったビジネスを可能にするのがWeb販売です。ここにこそインターネットを利用したニッチのようで小さくないビジネスがあります。それも個人参入が可能なビジネスが。なぜインターネットを使う必要があるのか、という原点に帰って考えると、当然なことですね。どこにでもある商品はインターネットで買うより釣具店で買った方がよいのです。Gear-Labが誕生したのは、ある意味で自然の流れだったといえると思います。別の業界で今からもっとこのようなサイトが出てくるでしょう。

さて、コミュニティを得意とする@nifty釣りフォーラムが、Gear-Labを作りだしました。実はこのコミュニティが、web販売で一番大切なことなのです。もっと広く、コミュニケーションといってもいいかもしれません。昔は、いたるところに素晴らしいコミュニティがありました。町内会、会社、学校・・・どれも最近影が薄くなりましたね。子供会、町内運動会、会社の慰安旅行、花見・・・どれもなくなりつつあります。しかし、本来人間はこのコミュニティが大好きなのです。私は20年以上トレーニングジムに通っていますが、ジムにも楽しいコミュニティがあります。いつでも行けて、いつでも頑張れて、いつでもやめられて、気のあった人と話が盛り上がる。そんなところの忘年会や新年会は、かなりの人が集まります。人は皆、自分にあうコミュニティを探しています。

扱う商品がニッチなもので、価値を共有することで輪が広がっていくものであればあるほど(そういう商品がインターネット向きであるわけですが)、webではコミュニティをいかに高めていくかが大切になります。

そう、それは店頭や御用伺いでお客様と店主が、あるいはお客様同士が語らうことでゆるやかなコミュニティができていた昔の商売のスタイル、いわば商いの原点に返ることなのです。マーケットにモノを投入するだけで売れた時代とのちがいは、ここにあります。

▼次へ