Gear-Lab・釣具の逸品通販モール
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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(12)女性と初心者の時代

Gear-Labは、幅広い情報のなかで意欲的な釣り人のウォンツを語りあいながら、モノつくりをはじめるというのがコンセプトです。
ということは、100人の釣り人がいたら100人の釣りがあるわけです。有名な釣り師の釣り方や道具を単に真似するのではなく、自分が本当に認める、自分が大好きな釣り方を楽しみましょうということになります。ですから、初心者の方と長年経験されている釣り師とは、違う意見が当然出てきます。時代の流れからみると、これまでは有名な釣り師に皆が右へならいをしていましたが、ネットの時代になってこの構図はだいぶ変わってきました。むしろ幅広い層をもち、旺盛な探求心をもつ初心者こそが、釣りや釣り具の世界を動かしていく可能性があります。

一方、モノ作りの初心者は、釣具を考案するとき、失敗する確率は高いのですが、少なくとも絶対にこれじゃないと駄目だと考えている人よりは、確実に早いスピードで進化していき、時には、これまで誰も考えつかなかったようなものを創造します。また、吸収が速いのもいいところです。

たとえば、女性の釣具作りや販売をどう思われるでしょうか。私は、これから女性は絶対的なチャンスだと思います。女性にしか感じられない市場は大きいです。作りたい釣具案のアンケートに、なるほど!と思う意見が多いのです。

「女が考える釣具なんて」という古い固定観念がもしあれば改めた方が良いと思います。釣具だけが特別ではなくて、アメリカでは中小企業の半分以上が女性社長となっています。また、起業する比率が男性1に対して女性は2です。これが5年以上も続いているのです。すごい数字ですね。

またインターネット時代は、働く女性に大きな福音です。これまでは、一流大学を出て一流企業に勤めている東京の男性がビジネスの主導権を握ってきました。だけどインターネットは、地方で暮らす人たちや、何よりも女性がビジネスに参加していくことができる道具になろうとしています。妊娠や子育てという、仕事面でのハンデは少なくなって男女平等になります。これからは本当の実力だけがものをいう社会で、男性だからというアドバンテージはなくなるのです。

インターネットの世界では、女性に優しい男性諸君が多いのを皆さんご存じですね。自分では作れなくとも応援団がたくさんいるのです。女性はその特権を利用しても構わないと思います。

たとえば、英語の得意なモノ作りや販売したいという女性。ITを使いこなせるかどうかの「デジタルデバイド」もありますが外国語がしゃべれるかどうかの「ランゲッジデバイド」の格差の方も大きいですね。ボーダレス時代は、やっぱりコミュニケーション力が大切です。

実はGear-Labに出店を考えてらっしゃる女性がおられるのです。なぜ保留かといいますと、現在は、釣具を作りきれないほど忙しいのからなんです。すでにかなりの成功をされています。

釣りの世界は、ベテランや玄人ばかりが引っぱっているようにみえますが、そろそろ限界がみえてきました。「よく釣れる道具」「便利な道具」という従来のコンセプトに加えて、「使って楽しい道具」「可愛い道具」「扱いやすい道具」への隠れたニーズが増大しています。それに応えられる感覚をもっているのは、ベテランや玄人よりも、むしろ女性や初心者なのかもしれません。そんな人たちが、フィールドから自分の感覚でフィードバックしてくれれば、釣りはもっと幅広く、楽しくなります。

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