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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(16)特許出願の第一歩は抵触調査

さて、今回は特許出願について基本的なお話しをします。実際の特許に関しては、下記の本を読むことを是非お奨めします。「自分の発明は自分で守ろう」(実例から学ぶ技術開発・特許戦略と強い特許明細書の作り方/ 犬飼新平著/発行:社団法人発明協会/2400円)

「水泳プールのコースロープ用フロート事件」は権利を獲得し、類似品を販売した者に対して、警告したら逆に相手から権利をつぶされてしまった例です。理由は「発明未完成」でした。今ではほとんどのプールに見られるあのソーセージ状のフロートの外周に、ネジ状の消波溝があるものです。凹陥部、形状、大きさ、個数など図面だけではなく、明細書にこの具体的なものが足りなかったのです

発明王のエジソンでさえ、生涯、特許裁判で悩んでいたそうです。特許で権利化されるのは、請求項の部分だけですが、もっとも基本的な考えでその請求の範囲が「A+B+C+D」なら「A+B+C」「A+B+D」「A+B」[A+C」「A」「B」は権利に入りません。したがって、多数の請求項を重要度に応じて書かねばなりません。たとえば「A+B」「A+B+C」「A+B+D」「A+B+C+D」です。

このような、請求項を書くには、発明の本質、技術的意味、重要度、何をビジネスにしたいかなど、価値分析をしなくてはなりません。弁理士だけでは絶対に不可能で、発明者との慎重な共同作業が必要となってきます。権利の取得をするために何が一番大切なのかを基本的な事だけでも良いので知っておく必要があります。逆にこれを知っておくと、すでに出願してあるものも新たな発明の付加価値で出願することも可能となります。世の中には、相当多くの無駄な出願があります。あまり専門家ばかりに任せないで一冊の本を読むことをおすすめします。

さて、いざ特許を出願したいということになりました。この段階で一番重要なことは、ズバリ「抵触調査」です。他人の特許を侵害していないかということです。これを多くの人が甘くみてしまいます。出願する貴方自身を守るために、ここはしっかりやっておきましょう。

仮に、大手のA社が特許を出願している内容に抵触するのを貴方が知らないで出願しました。貴方は出願したからもう大丈夫だと思いビジネスに走ります。さて商品は貴方の思惑通りに売れてます。やったあ!と叫んだあくる日にA社より特許侵害の警告文がやってきます。貴方は真っ青です。まさしく釣りでいう「泳がせ釣り」ですね。実は、この手口で他社の商売の様子を見る大手企業は多いのです。売れたら権利を主張しようとします。売れなければ何もしません。

これは特許を悪用していますが、このような使われない特許はたくさんあります。使われない無駄な特許を防御特許と格好良く言っていますが、これは社会のためには非常に悪影響です。ですから、特許の抵触調査は必ずおこなって下さい。

まず、特許庁のHPで特許電子図書館で公開特許公報フロントページ検索で簡単に検索できます。http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl

しかし、これはあくまで予備調査だと考えて下さい。抵触調査もやはり弁理士はプロです。たとえばキーワードは、オモリ、錘、重り、おもりは全く違います。私達が出願した根がかり対策おもりのROCKは、特許の権利の範囲を確認しています。だからこそHPで公開しました。
ご参考までどうぞご覧になって下さい。図面は別ページです。
http://rock.gear-lab.com/pat.html

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