Gear-Lab・釣具の逸品通販モール
ホームWEB魚図鑑さかなBBS通販法表記

福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(19)営業って何?

営業という仕事をしたことのない方は、例えインターネットでも物を販売するには、ある程度の営業力がいるとお考えだと思います。実は、まさしくそのとおりなんですが、企業の営業マンの現状を少しお話ししますね。

まず、営業マン・・・って人をイメージしてみてください。
普通は昔からテレビなどに出てくる、ペコペコ頭をさげている営業マンしか思い浮かびませんよね。人はイメージしたことしか実行できませんので、私の周りを見てみるとそのまんまの人がいます。そしてこれをまに受けてペコペコ営業を推奨し、部下に訪問件数だけを根性で迫っている会社経営者もいて、その社員はかわいそうで仕方ありません。そんなことしても売れないのに。

そんなペコペコする営業マンからは、商品を買いたくないですよね。みなさんも同じだと思うのです。そんな自信のない営業をされては、こちらが安心して物を買えません。そんな営業の口にのせられて買いたくありませんよね。でも、なぜ営業マンってあのような態度をとるんでしょう?お客に頭を下げなければならない営業は、すでにマーケッティングが失敗しているんです。実は説得は、やってはならないことなんです。

実は、18年間営業をやってきて、私も最初はつらい営業をやっていました。本当のことをいうと営業という仕事が大嫌いでした。辞めたい辞めたいと毎日思っていました。しかし、振り返ってみると、ちょっとした転機で思わぬ方向の営業を開始している自分がいました。

普通「お客様は神様です」って考えるんですが、私は「お客様は悪魔だ」と考えるようになったんです。「いくらお金を支払うからといっても営業マンに対するあの態度はなんだ!」って、その嫌なあらゆるパターンをたくさんじっくり考えるんです。これは嫌だなあ。こういうパターンも嫌だなあ。と、とことん考えることから始まると、意外に何をすれば良い方向にいくのかがはっきりしてきたんです。焦点をそのことだけに合わせて考えたんです。そんなときに一冊のアメリカ人が書いたビジネス書に出会いました。

売り込み、説得、頭を下げる、全て駄目だという本でした。なんだこれ!?凄い!その日は仕事さぼって読みふけりました。3回ほど読みました。そのあと他のアメリカのビジネス書を仕事をさぼってとことん読みました。(^^;)私はその要点をノートに書き写して、そのまま真似してそれを実行しただけです。

トム・クルーズの「エージェント」という映画がその点を深くついていると思います。あの映画は一度見てもその部分はなかなかみえてきません。

営業は、説得しだしたら負けです。説得は罪です。絶対に商売は成り立ちません。あるアメリカ人のスーパーセールスマンは、「商談で20%以上こちらが話したら失敗」と断言しています。

商品の説明だけ終わったら「もしお気に召されない場合は買っていただかなくても結構です。全く構いません。」とはっきりいうことです。そうしたらお客様は嘘はつけなくなります。買う人は買いたい。興味のない人や相見積もりだけが目的の人はそれなりの態度を必ず示します。そうするといきなり自分が売り手市場に入ってしまい完璧に自分のペースになってしまうんです。デフレスパイラルのこの時代には、特にこの威力は大きく発揮できます。実販売でもこれをやれている会社や人が、利益を稼いでいるのです。

殿様営業をして、威張る必要もないのですが、友達に接するように「お前、これ本当に買うのか?買わないんだったら買わないでいいんだぞ。」と言ってくれる営業マンには、あれ?この人押しつけてない。信用できる。となりますし、この営業マンは余裕がある、自然に立派だ、たぶん会社でもトップセールスマンだから会社に対しても発言権もあるはずだ。となります。信用は、商品購入の気持ちに連結しています。

では、インターネットの中ではどうなるでしょうか?
実は、全く同じことが起こります。

まず、とことんテキストと写真で説明します。それに凄く興味ある人と、なんとなく興味ある人しか読みません。最初から買わないぞと決めている人は、ほとんど読みません。自然に見込み客とそうでない客ををフィルターにかけるんです。

そうして、とことん長所を書き込むのですが、欠点もはっきり書き込みます。当然、作った人しか体験できない失敗談も書き込みます。「他人の失敗は密の味」・・・というのは冗談ですが、実社会でも、会話の中にそれがあれば話もはずむものです。

私の先輩で年齢が65歳になるんですが、大男でベンチプレスを今でも160kg挙げて、昔は柔道と空手でかなり強かったらしいのですが、彼の過去の武勇談は、いつも負けた話ばっかりなんです。「ボコボコにやられた」「逃げた」「ちびった」そんな話ばかりです。この人は、本当は強かったに違いありませんが、そんな負けたケンカ話を聞きながらますます尊敬してしまいます。そして凄く信用してしまうのです。

ということは、インターネットで販売するときは、凄く良いということも詳しくたくさん書かないといけません。そして、開発者しかわからない失敗談や短所もはっきり書くのです。買いたくなかったら買わなくていいんですよ。ということをさりげなく書くことです。

どうですか?釣具店では、このことを店員さんがしなければならないということになるんですよね。大変ですね〜。あんなにたくさんの商品知識を身につけて、その上で説明しなくてはなりません。

これは個別に売ることのできるインターネット販売ならではの武器なんです。この武器は絶対に使うべきです。そうして「信頼ある情報筋」と位置づけられてしまい、よく売れ、利益も十分出せるショップとなるのです。

まとめです。
私が仕事さぼって本を読んだと書きましたが、意外に心地よい響きに感じませんでしたか?(^^)

▼次へ