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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(23)ニッチ市場とは局地戦のことです。

ニッチな市場を深く掘ろうという姿勢は今や勝ち組商売メソッドでは基本的な話し となってきました。
なんでもある、なんでもやるという方向性の会社は、セギュウメントがはっきり してないとやはり厳しい状況を強いられている感じがします。 なんでもやるのは、何もできないと言っているのと同じなんですから。

釣り具だったらなんでも作るというより、ウキだったらウキに徹底してその分野 で日本一を目指した方がやっぱり良いです。
ウキも種類が多いのでそのうちの棒ウキだけとか、カゴ釣り専用ウキとかに絞って 深く深く掘り下げるのです。それでも市場としては大きいかもしれません。今度は 遠投性だけとか、感度だけとかに絞って市場を絞り込むのです。遠投では右にでる ウキは無いとなってしまえば、素晴らしいニッチ市場です。
特にWebを利用した個人での販売はこれに限ります。金儲けのためにあれも良い、 これも良いとなんでも作りなんでも開発するととんでもない目にあいます。 実は私も釣り具以外に是非とも作って売りたいものがあるのですが、どんなに素晴 らしい案でもグッと我慢しています。
私はすでに大きな市場へ出かけて行って高い授業料を払っていますのでもう二度と同じ 失敗はしません。(^^;)

一般企業でも同じです。大切なのは「シェア」でないものを目標にしなければなら ないということです。ひたすらシェア主義のダイエーに象徴されるバイイングパワー (購買力)も含めてこの原理が機能しなくなりました。
過去の太平洋戦争の話しになりますが、旧日本軍が敗北したミスを繰り返しては いけません。北はカムチャッカ、南はインド、中国は西安、モンゴルまで、とても 補給ができないところまで陣地を広げていった旧日本軍的なやり方はもう最悪です。 奇襲とはいえミスばかりした真珠湾では6隻の空母で勝ったのに、大和や武蔵という 大型戦艦にも力を入れてしまった海軍はミッドウエーでは4隻の空母でコテンパに やられました。これは日本人として大切な学びなんです。
戦争は総力ではありません。局地戦です。まさしく信長が今川義元に挑んだ桶狭間 の戦いです。今の軍人はスペシャリストですのでそれも短期決戦にしてしまいます。
戦争から学ぶマーケッティングの基本はやはり「選択と集中」です。
戦争ってマーケッティングなんです。マーケッティング=得意技と表現しても良い と思います。

ローソンは、ダイエーが親会社でしたからバイイングパワー的な発想で全国各地に、 店舗を増やしていて、広い面でシェアを取りに行きたくさんの陣地を同時に攻める からどうしても厳しい状況です。逆にセブンイレブンは資金力はあるのですが、 規模の経済ではなくて堅実です。
一気に全国へ広げたユニクロが苦戦していますし、トヨタは車に集中して今期は 最高の利益を出しています。その陰でトヨタホームはボロボロです。天下の松下 電器にしてもあのとおりです。

市場は小さくとらえて挑みましょう。今からチャレンジする市場をとことん小さく 区切ってみると、「勝てるな」と肌で感じとれるくらいのニッチな市場だったら ロックオンすべきですね。そしてその市場を徹底的に得意技で押さえてしまいま しょう。まず、限定された品目だけでナンバーワンになる。その次に隣接する市場 や地域を一つの市場としてとらえ直すという戦術ですね。
こうやって再認識するとマーケッティング(戦い)がパワーアップできますね。
今は戦乱の時代だと思いますが、なんだか個人でもやれそうでワクワクしてきます。
ビジネスって本当に楽しいですね。

あなたはまさに今スナイパーです。

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