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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(24)今、釣り具も贅沢消費市場に向かっています

バブル崩壊後、このデフレ経済の中で拡大し続けている市場。それは「贅沢消費市場」です。

コンビニでは、水がガソリンの二倍以上の値段で売れています。昔は「湯水のごとく」という形容がありましたが、今は水もお茶も高いんですね。ミネラルウォーターの消費量はここ10年間で3倍強になっています。うちじゃ絶対にありえないですが、ペットボトルの水をご飯やみそ汁にまで使うという人もいます。

輸入高級ブランドの代表格でもあるルイ・ヴィトンは日本では昨年比15%アップで、まだまだ増えています。家庭で使う乗用車も5400万台で、10年前の1.4倍です。そのうち4割は一つの家族に2台以上持っているんです。高級車も10年前と比べると3倍になっています。景気が悪い悪いと言いながら、携帯電話、パソコン、DVD、デジタルカメラなどなど。あなたも持っているでしょう?何か矛盾を感じませんか?どこかが儲けてどこかが損しているってことでしょうか?確かに今までみんな一緒に成長したという護送船団でないことははっきりしてますね。

たとえばブランドに関しても認識が大きく変わってきているようです。一流ブランドであればなんでも飛びつくという時代は終わりました。一流ブランド以外の一流品が、驚異的な売上げをあげているのです。

それは、主に「遊び」という領域だと思われます。先日、有名な超一流ホテル、大阪のリッツカールトンホテルに行きました。国際感覚豊かで、一流の接客、一流の料理、それが掃除している方までが、凄いサービス精神なんです。「われわれは、お客様を紳士淑女にする紳士淑女です。」というリッツカールトンのベーシック。このサービスについては、非常に興味ありますので改めてお話しします。

一流のホテル、一流のレストラン、一流のゴルフ場、一流の劇場、そういった遊びの価値の中でより快適なものを人は求め続けていると感じます。ゴルフに行けば良い、ホテルに行けば良いというのではないのです。ですから、釣りに行ければそれで良いという時代ではなく、とことん快適な休日を求めているのです。それは人間の本能でしょう。

でも、一流だからといってもお金じゃないんです。先ほどのリッツカールトンホテルのハード面の豪華さは、ホテルオークラ、帝国ホテルとあまり変わらないのです。最高のサービスによりこころを打たれて、紳士淑女になれるのです。これが一流とでもいいましょうか。このお金とのバランスも大切ですね。

贅沢消費市場の話しですが、最近私の周りに不況になって小遣いが減ったというオジサンより、小遣いが増えたというオジサンがチラチラいる事実です。

どうも、接待が減ったおかげで二次会の飲み代は必要なくなった。仲間との酒も盛り上がればいいし、わざわざ二次会には行く必要がないと言っています。飲酒運転の規制で電車やバス利用で帰りタクシー代も減り、財政が豊かになったのは実はオジサンたちなのです。今私の街、博多の繁華街中州はヒマです。

お昼のお弁当ってホント安いですよね。吉野屋もマクドナルドも。ゴルフ場も安くなりました。ユニクロで安い服が買えます。だから平均的給与がさがるんだというのは非常に評論家的な意見です。実際には力のない会社が給与が下がるだけです。本当に厳しい話ですけどあたりまえですよね。今は昔の方法のような護送船団方式の分析をすると間違えます。実は、年収は上がらなくても小遣いは増えている人も多いんです。

その結果、オジサンの趣味的な消費が増えています。釣り具もそうです。なぜか世の中のメディアはこの市場を話そうとしませんね。過去に世の中の消費は女性と子供が握っているという、そんなことを聞いたことあります。実は、拡大する贅沢消費市場の中にこれからは消費の楽しさに目覚めたオジサンがいることを忘れないでください。

私の家の近くにルアーフィッシングを重点的にやっている専門店があります。1階は、ブラックバスなどの淡水関連、2階は海釣り関連で凄く高価なトローリングに使う3万円もするルアーなどを扱っています。1階はお金のない中学生がたむろしていますが、2階は大人のサロンです。中学生はビビッて2階に上がれる雰囲気ではありません。そんな2階での売り上げは格段に伸びているといいます。

博報堂の調査で年代別に「カネ」と「時間」のゆとり度を調査したところ、50〜60代の約4割がその両方でゆとりを持っていると回答していると聞きました。男性は40代を境に長い余生に備え出世競争を続けるよりも自分なりの趣味、友人を大切にし仕事の勝者よりも人生の勝者を目指す意識が強くなっているといいます。

この贅沢消費市場は、少子化社会に追い打ちをかけられ確かに拡大しているようです。


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