Gear-Lab・釣具の逸品通販モール
ホームWEB魚図鑑さかなBBS通販法表記

福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(26)クオリアのカッコよさ

ソニーは、またまた新しい取り組みを始めました。「QUALIAクオリア」というソニー最高峰の高級ラインなのですが、このコンセプトが面白いのです。
「人の心に訴えるモノづくり、”感動価値”創造に向けて」です。

主力のデジタルAV機器を中心にした高性能・高級商品群クオリアの投入は、新しいマーケティングと販売手法で業界に大きな波紋を呼びそうです。たとえば東京銀座のソニービルには、「コンシェルジェ」という何やら上等なホテルにしかいない人たちがいます。(コンシェルジェ=客の要望に応じて観光手配や案内などを行うスタッフ)

いずれも価格は通常製品と比べて桁違いと思われるほど高いもので、たとえばデジカメは特殊オートフォーカス機能を搭載した、のスパイ映画に出てきそうな超小型で新開発のバッテリーを搭載して38万円。ホームシアター用のHDプロジェクターは240万円。匠の技術のスピーカーシステムは70万円などなど。クオリア認定委員会が認めたものが4点のみでスタートしています。

ひらたくいうと「人を驚かせること」を趣旨としているようです。
デフレの中で単にスペックと価格競争を強いられている業界では、モノづくりを通して新たな価値観を具現化しようという心驚かされるものが確かにあります。

直販体制でお客様にテクニカルコンシェルジェが個別に伝えたいので、インターネットでは販売はしないとのことです。これも新しい販売手法です。

しかし、感動を感じられる製品を創っていこうというのは実は創始者の井深大氏の精神そのものなんですね。東京通信工業(後のソニー)が作った初期のテープレコーダーは一般庶民は手が出せない値段でした。
本当は、ここしばらくこの大切なことを忘れていただけなのではないでしょうか?この素晴らしいムーブメントが他の業界に大きく影響してくれれば良いなあと思います。38万円のデジタルカメラは買えませんが(^_^;)。

スペックが凄いから、高いから素晴らしいのではなく、判断基準は「カッコいいか、ダサいか」なのかもしれませ。目先のカッコ良さではなく、その人が何をカッコいいと感じるか。カッコいい軸は一人ひとり違って当然ですが、あるものをカッコいいと感じられるかどうかは、価値観というよりもその人の本質に関わってくるもののように思います。

本質的なカッコよさは、世の中の流れやブームとは関係のないところにあるのではないかと思います。ホントに自由な思考に本物の豊かさを感じてしまいます。

Gear-Labも、大衆相手ではなくても感動釣具を創りだしていきたいですね。売れるから造るのではなく、ある種ある人の思いこみだけのプロダクトアウトです。あっと驚く釣り具で、ブームに惑わされないジワ〜っと楽しめる釣り具、そして自分自身にとっての逸品。釣りに行けない日も釣具を眺めているだけで心が豊かになれる釣り具。

もしかしたらこうした自己満足は悦びの極致かもしれません。(^^)

▼次へ