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福山克義がつづる
汗と涙と笑いのモノつくりコラム

(31)ランチェスター〜弱者の顧客戦略〜

ランチェスター経営の竹田陽一さんは簡単で当たり前のことを強調します。

「経営で利益がでるところはお客のお金と商品を交換したときだけです。」

経理の仕事を10年もやると、いつの間にか経理の仕事が目的になってしまい、経営が「ついで」になってしまいますからおかしなものです。

経営の目的はお客を多く作り出すことにあります。市場占有率1位の商品、地域、ルート、客層をつくることが経営の目的です。そして顧客の心の中のシェアまで一位になることは非常に大切なことです。

商品を買うかどうかはお客が100%の決定権を持っていて、売る側は1%もない。この原則は江戸時代から変わっておりません。お客から商品を買ってもらうにはお客から好かれ、気に入られ、喜ばれ、忘れられないことがやっぱり大事です。このお客活動こそが利益性を良くします。弱者である競争条件が不利な会社は、お客活動に熱心になることがとても大切なんです。

そのためには、まずお客に不便をかけないことから始まります。名刺、封筒、カタログ、電話の受け方、FAXはお客中心の体勢を整えること。この当たり前のことができていない会社がなんと多いことでしょう。

簡単に言えば「頭(ず)が高い」という道具の使い方をしています。名刺は自分の存在を知らせるミニカタログです。電話番号や漢字は読みにくいし、文字が小さい名刺があります。再生紙を使用していますなど余計なことまで書いてある名刺もあります。専用FAXではなく電話と兼用になっていて、いつも使用中の買い手を無視したFAXがあります。

やはり感謝は態度で示すことですね。会社では「報・連・相」を上司に対して実行することを言われますが、ここで大切なのはお客様に対してきちんと「報・連・相」をやっているかです。注文をいただいても、入金されてもお礼のハガキやFAXを出さない会社が実に97%もあるといいます。

山口県でNO.1の人気神社、防府天満宮の激励はがき戦略をご紹介します。
防府天満宮では、学業3点セット(1.お守り2.絵馬3.必勝ハチマキ)を販売しています。
絵馬を買って、家から絵馬に願い事を書いて天満宮に送ると境内に下げてくれます。天満宮は、その返事として「激励のハガキ」を送るのです。
「・・・陳者当天満宮では御願意に従い、日夜御神楽に専念致しておりますが、あなたも一層勉学にご精励下さい。そうすれば御神意のままに見事優秀な成績をもって進学叶いましょう。・・・」と難しい文章ですが、これは必ず壁に貼られるか、透明マットの下に大事に保管されます。

ハガキを出しているうちに人気がでて地域でNO.1の神社になりました。
合格した折りには必勝ハチマキを返却していただき、そのハチマキは巫女さんによって綺麗に洗濯され「願いが叶った必勝ハチマキ」として再び売られます。
お賽銭箱には、小銭ではなく札が入れられることも多いと聞きます。神様でさえこのようなお客が来るシステムを実行して努力をしています。

ところが中小企業の97%はこのような努力をしないで景気が悪いと言っています。なぜお礼状が出ないのでしょうか?やはり「お客活動」が一番大事だと認識していないからです。ハガキが書けない理由は、いつ書くか決めていない。どう書くか決めていない。字がヘタだと言い訳している。実際はそんなに時間がかからなないのに、机の上でプレッシャーとして感じてしまっている。

「お客活動」こそが一番優先する業務なのに、儲けていない会社は、お礼状を書くヒマがあれば新規開拓の電話だ、広告だ、DMだチラシだと言っていますが、利益を稼ぐには、今あるお客に対してお客活動をすることが一番大切なのです。感謝の気持ちを実行に移すことです。

こういった話をすると「それも大事だ」とか、「原則はそうかもしれないが」などと言いながら、今までとちっとも変わらない人が多いのです。お客は黙って他社に注文するようになります。そしてなぜ売れなくなったのかわかりません。そして「景気が悪い」と嘆いています。

これは見方を変えれば「チャンス」です。この時代、ポジティブに動きさえすれば、自然にまごころサービスになってしまいます。「実行する仕組み」を作って習慣にすると、ますますパワーアップして業績は必ず良くなります。

年に6回のハガキを出してみてはいかがでしょう。
永六輔さんは、年間1万枚のハガキを出すらしいです。凄いことです。毎日30枚ですね。たった1行のハガキも多いと聞きました。生前のマルセ太郎さんの劇場を見たあとに「感動、感動、ただ感動」という1行ハガキが永六助さんから来たらしいですが、本当に素晴らしいと思います。
船井創研の小山社長は「ハガキを10回だせばどんな相手もくどけます。」と断言しています。

今後ハガキ、FAX、メルマガ、ニュースレターは、営業ツールとして活用
する仕組み作りをじっくり考えてみてはいかがでしょう?

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